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身近な例でやさしく紹介、量子コンピュータ。
最近はAI(人工知能)の進化で日常生活やビジネスのあり方が大きく変わっていくいわゆる「AIブーム」ですが、テクノロジーの最前線ではさらに驚くべき革新が進行中です。
全く新しい「量子コンピュータ」
量子コンピュータは、従来のコンピュータとは異なる原理で動作するコンピュータの一種です。従来のコンピュータは「ビット」と呼ばれる単位でデータを処理します。ビットは0か1かのいずれかの状態を取ります。
これはよく「オン・オフ」や「True/False」とかと表現されたりもしますね。
対して量子コンピュータ「量子ビット」を使用します。「量子ビット」はなんと0と1の状態を同時に取ることができます。これを「重ね合わせ」と言います。前述の例で言い換えると「オンでもオフでもない、またはオンでもオフでもある」や「TrueでもFalseでもある」ってことになりそうですね。すごく曖昧、、、!
この性質が一体どのように便利なのでしょうか。
量子コンピュータで出来ること
量子コンピュータで出来ることをスーパーコンピューターと比較して身近な例で解説します。「数独」をご存知でしょうか。詳細は省きますが9x9のマス目に一定のルールに従って数字を埋めていくゲームです。
スーパーコンピューター的アプローチ
一番シンプルなのは「総当たり法」です。数字を埋めるためにすべての数字を試し、ルールに違反する選択を排除していきます。
量子コンピュータ的アプローチ
量子コンピュータは理論上前述したあいまいな「重ね合わせ」の状態を取り、複数の可能性を同時に探索することができます。複数の可能性の中から「量子もつれ」という特性を使ってルールに適合する正しい解を効率的に見つけ出します。
遊びで例を挙げましたが、実用的には例えば新薬の開発や化学的な組成の解明、金融関連、運送関連など多岐にわたる実用範囲が見込まれていたり、
逆に現行の暗号化技術やパスワードなどのセキュリティは量子コンピュータですべて破られるようになるのではといった懸念の声も上がっています。
量子コンピュータは次世代のコンピュータとなるのか
「『コンピュータ』と名の付くすごいものがこの先出来上がるのであれば、スパコンの次の世代だ!」とか、「AIブームの次はQC(Quantum Computing)の時代だ!」など、稀に言葉だけで勘違いされる方もいらっしゃいますが、実は量子コンピュータは現行のスーパーコンピューターに劣る部分があったり、AIとはそもそも棲み分けが違ったりでそれらとは違うベクトルのものになります。
量子コンピュータ自体まだかなり狭い範囲でのみ使用されており、広く使われるようになるのは10年あるいは20年以上先とされており、その時代ではそれぞれを適材適所で使い分けていることが予想されております。
ライター
カップケーキザウルス
東京の畑生まれ、コンクリート育ち、(微)サイエンスオタク