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意外と似てたり似てなかったり、日本と世界の天の川
七夕(たなばた)は、日本の夏の風物詩の一つで、織姫と彦星が一年に一度だけ天の川を渡って会うことができるロマンチックな伝説に基づいたお祭りです。この日は短冊に願い事を書いて笹の葉に飾る風習があります。天の川は、二人を隔てる天の大河として物語の中心に位置しています。
しかし、天の川は日本だけでなく、世界各地で様々な伝説やイメージが存在しています。今回は、七夕の話題を軸に、海外の天の川にまつわる興味深い文化や伝承を紹介します。
ギリシャ神話の天の川:ミルキーウェイ
日本の七夕伝説が織姫と彦星の愛を語るように、ギリシャ神話では天の川(Milky Way)はゼウスの息子、ヘラクレスの誕生にまつわる物語で説明されます。ゼウスはヘラクレスがより強くなるように、彼を妻ヘラの乳で育てようとしました。しかし、ヘラはそれに怒り、ミルクを撒き散らしました。そのミルクが空に散らばって天の川が生まれたとされています。この神話は、天の川が生命の源であるミルクから生まれたという豊かなイメージを与えます。
インディアン神話の天の川:死者の道
アメリカ先住民の一部の部族では、天の川を「死者の道」と呼び、亡くなった者たちがこの光の川を渡ってあの世に旅立つと信じられてきました。例えば、ナバホ族では天の川は魂の旅路を象徴し、夜空に広がる光の帯が死者たちの道しるべとなっています。この視点から見ると、天の川は単なる天体現象ではなく、深いスピリチュアルな意味を持つ存在として描かれています。
北欧神話の天の川:ビフレスト
北欧の伝承では、天の川はビフレスト(Bifröst)として知られ、神々の住むアースガルズと地上を繋ぐ虹の橋だとされています。この橋を渡ることで、人間は神々の世界に足を踏み入れることができるとされており、神話や英雄譚の重要な舞台となっています。天の川が神々と人間を繋ぐ通路として描かれるこのイメージは、天の川が持つ神秘的で壮大な側面を強調しています。
天の川の正体は地球が属する銀河系、つまり「天の川銀河」の一部分です。天の川銀河は無数の星々、ガス、塵が集まった巨大な円盤状の構造を持っています。夜空に見える天の川は、銀河系の中心部に向かって多くの星々が密集しているために、光が集まって帯状に見える現象です。今も昔もこの天の川を世界中のどこからでも見ることができ、色々な想像をした結果上記のような話が生まれたのでしょうね。ミルキーウェイやビフレストなんかはSF作品でもなじみ深い言葉で、ここが由来なんですね。
旅行で光源の少ない地域に行かれた際は是非夜空を見てみましょう。
ライター
カップケーキザウルス
東京の畑生まれ、コンクリート育ち、(微)サイエンスオタク