祝Apple銀座リニューアルオープンを機に振り返る現在のApple

Writer:カップケーキザウルス

2025/09/29

2025年9月、リニューアルオープンしたApple銀座の新店舗外観(東京・銀座)。2025年9月26日、東京・銀座にApple Storeの旗艦店「Apple銀座」がついにグランドオープンしました。2003年に日本初、そして米国外初のApple Storeとして開店した歴史ある店舗が、ビル建替えによる一時閉店を経て約3年ぶりに元の場所へ戻ってきたのです。オープン当日にはティム・クックCEO自ら来店し、開店前から約1000人の行列ができ終日数千人が訪れる盛況となりました。この銀座店の再始動は、Appleファンにとって大きな節目であり、Apple自身にとっても「私たちに共通する素晴らしい歴史に新たな1ページを刻む」出来事だとティム・クックCEOも語っています。今回は、このApple銀座の復活を契機に**「現在のApple」**について振り返ってみましょう。スティーブ・ジョブズ氏からティム・クック氏へ受け継がれたAppleのリーダーシップの変化や、最新のiPhone 17と近年のiPhone 15・16に見るプロダクトの進化、そして経営方針のトレンドを探ります。

ティム・クックとスティーブ・ジョブズ — 受け継がれた遺産と異なる手腕

Appleを語る上で外せないのが、前CEOスティーブ・ジョブズと現CEOティム・クックの比較です。

ジョブズは直感とカリスマ性で世界を変えた人物。iPodやiPhoneなど、次々と革命的な製品を生み出しました。その強烈なトップダウン型リーダーシップはしばしば「狂気を孕んだ天才」と呼ばれ、彼の存在自体がAppleのイノベーションの象徴でした。

一方、クックは堅実な実務家。サプライチェーンを徹底的に効率化し、在庫日数を大幅に短縮。Appleを安定的に収益を上げる企業に成長させました。ジョブズほどの「驚き」は少なくなったと評されますが、時価総額は就任当初の数倍以上に拡大し、Appleを世界最大級の企業へと押し上げました。

クック体制で広がったApple

クック時代の特徴は、多角化とサービス化です。Apple WatchやAirPodsはジョブズ亡き後に誕生した大ヒット製品。特にApple Watchは健康管理デバイスとして社会的な役割も担い、スマートウォッチ市場を独占しています。

また、Apple Music、Apple TV+、iCloudなどのサービス事業も急拡大。サブスクリプション収益は安定性を生み、今ではiPhoneに次ぐ柱に成長しました。クックは「ハードだけに依存しないApple」を実現しつつあります。

社会と未来への責任

近年のAppleは、環境や社会的責任にも力を入れています。2030年までのカーボンニュートラルを掲げ、銀座店も再生可能エネルギーで運営。製品にはリサイクル素材を採用し、環境負荷の低減に取り組んでいます。

さらに「Apple Vision Pro」のような空間コンピューティング製品にも挑戦。AIやARを次の成長エンジンとしながら、持続可能性も重視する姿勢は、ジョブズ時代の「驚き」から一歩進んだ「成熟した冒険」と言えるでしょう。

大人のAppleへ

銀座に戻ってきたAppleは、過去と未来の交差点です。ジョブズが蒔いたイノベーションの種を、クックは堅実に育て、Appleは「革命児」から「成熟した大人の企業」へと進化しました。

最新の製品に触れるだけでなく、環境への取り組みや新領域への挑戦を体感できるのもApple銀座の魅力。ここを訪れることで「現在のAppleの姿」を肌で感じられるはずです。

ライター

カップケーキザウルス

東京の畑生まれ、コンクリート育ち、(微)サイエンスオタク。